組合名 | 山形機械工業団地協同組合(山形市) | ||
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設立 | 昭和38年12月 | 組合員 | 21人 |
組織形態 | 工業団地組合 | 主な業種 | 自動車部品製造、金属部品製造他 |
出資金 | 6,273万円 | 地区 | 山形市 |
組合従業員 | 2人 | 移転完了日 | 昭和43年3月 |
〜組合員ニーズに応えた新しい事業導入で組合を活性化〜
土地・建物の狭隘化等の解消を目指し機械関連企業が集団移転。所期の目標を達成すると共に組合員ニーズに答えた新しい事業を次々に導入、組合の活性化を推進。
【集団化・共同事業の背景】
山形市市街地域に散在する機械工業関連の中小企業は、用地・工場棟の狭隘化、騒音の発生、交通渋滞等に悩まされていた。そのため油圧機器・自動車部品製造等を主とする関連企業が、これらの問題を解消し、企業規模の拡大・生産性の向上を図るため、工場集団化制度を活用し集団事業を共同化すべく、昭和38年24社で組合を設立し昭和43年までに移転完了している。移転に当たっては中核組合員の倒産やその下請関連組合員の大量退会に伴い一時団地移転が危ぶまれたが、県・市・金融機関が一体となり団地再建に乗り出し、参加組合員の勧誘等で助力してもらったことが成功要因である。
【事業活動の概要】
現在組合共同事業として、固定資産賃貸事業、教育研修事業、機械販売事業を実施している。それぞれの事業については、(1)固定資産賃貸事業…駐車場・倉庫等の賃貸 (2)教育研修事業…ポリテクセンターと連携し高度技術者の育成、新製品の開発(麺切断機の開発) (3)機械販売事業…組合で開発した放電加工機について、組合を受注窓口に組合員で生産・販売を実施等が主な内容となっている。高度化資金の償還完了後組合を活性化するために、組合員ニーズを把握しながら新製品開発事業、人材高度化事業等の新たな事業を導入したこと、また組合員全員参加型の事業にこだわらずグループ単位での事業にも注力、その輪を広げる展開を図ったことが成功要因である。
【成果】
集団化の成果としては、(1)集団化の課題であった用地・工場棟の狭隘化、公害発生、交通渋滞等の解消について所期の目標を達成したこと、 (2)各組合員企業規模の拡大・生産性の向上が図れたこと (3)対外的な企業イメージや信用度が高まったこと (4)人材確保面で有利になったこと (5)開発・販売などの事業を通じて幅広い技術力、開発力が習得出来たこと等があげられる。
《詳細内容》
【1】実施事業の内容(平成9年度実績)
事業名 | 事業内容・事業実績 | |
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固定資産賃貸事業 | 駐車場、倉庫、キャッシュボックス等の賃貸 | 収入 16,377千円 |
教育研修事業 | 新分野開拓(麺切断機の開発)、人材高度化事業 | 収入 6,646千円 |
機械販売事業 | 放電加工機の販売 | 収入 6,605千円 |
【2】組合員の経営環境
従来の不況は組合員企業全体には及ばなかったが、今回の不況は組合員企業全体に影響を与えており、業界における需要の減少、競合の激化等により仕事量の減少、利益の減少となっている。組合員各社ともリストラに取り組んでいるものの先の見通しが不透明で、厳しい経営環境が続いている。
- 建設用金属製品、金型:5
- 電子・電気機器製品:4
- 自動車部品:4
- 工作機械:2
- 木工家具:1
- 食材、日用雑貨、特殊鋼板販売:3
- その他(レンタル、印刷):2
雇用従業員数人 | 0人 | 1〜5人 | 6〜20人 | 21〜50人 | 51〜100人 | 101〜300人 | 301人以上 | 合計 |
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組合員数 | 3 | 8 | 4 | 2 | 3 | 1 | 21 |
【3】組合の沿革
昭和38年24社で組合を設立しスタート、昭和43年に移転完了した。設立間もない時期に組合員の退会や新規加入もあり、現在の組合員は21名となっている。事業面では高度化資金の償還も修了したことから、金融事業については昭和62年に廃止している。
【4】諸会議等の状況(平成8年度実績)
理事会 | 定例会 9回 | 随時 0回 | |
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諸会議 | 委員会・部会の数 4 | 委員会・部会の開催回数 19回 | その他の会議の数 0 |
青年部 | なし | ||
女性部 | あり | ||
賛助会員制度 | なし |
【5】ポイント 要点と成果
市街地域に散在する自動車部品等の生産を主とする企業が土地・建物の狭隘化、騒音発生等の問題を解消し、生産性等の向上を図るため集団で昭和43年移転完。集団化により上記問題の解消、生産性の向上、対外的信用度の高まり、人材確保等が成果としてあげられる。また組合員ニーズに応えた新しい事業を導入し、組合の活性化を図っている点も特筆される。
【6】活動の要点
(1)山形市市街地域に散在する機械工業関連の中小企業は、用地・工場棟の狭隘化、騒音の発生、交通渋滞などに悩まされていた。そのため自動車部品製造等を主とする関連企業がこれらの問題を解消し、生産性の向上を図るため工場集団化制度を活用し集団事業を共同化すべく、昭和38年24社で組合を設立し昭和 42年までに移転完了している。
(2)現在共同事業として 固定資産賃貸、教育研修、機械販売事業があその内容は次の通り。(1)固定資産賃貸事業…駐車場・倉庫等の賃貸 (2)教育研修事業…高度技術者の育成、新製品の開発 (3)機械販売事業…組合で開発した放電加工機について、組合を受注窓口に組合員で生産・販売。高度化資金の償還完了後組合活性化のため、人材高度化事業や新製品開発事業に力を入れ、組合員相互の連携を高めている。
【7】成果と成功要因
- (1)集団化の課題であった用地・工場棟の狭隘化、公害発生、交通渋滞等の解消について所期の目標を達成。
- (2)組合員企業規模の拡大・生産性の向上が図れた。
- (3)対外的な企業イメージや信用度が高まった。
- (4)人材確保面で有利になった。
- (5)開発・販売などの事業を通じて幅広い技術力、開発力が取得出来た。
- (1)移転に当たっては、中核企業であった組合員の倒産、関連下請企業組合員の大量退会等で危機に瀬したが、県・市・金融機関が一体となり団地再建に助力してくれたこと。
- (2)常に組合員のニーズを把握しながら新製品開発事業、人材高度化事業等の新たな事業を導入し、組合の活性化に努めたこと。
- (3)全員参加型の事業にこだわらずグループ単位の事業にも注力、その輪を広げる展開を図ったこと。
【8】所見
(1)高度化資金の償還完了に伴う組合・組合員との距離が生じたこと (2)組合事業収入の伸び悩み (3)組合員移転による異質企業の加入で共通課題が見出しにくくなっている、等の問題点を抱えている。これらの問題点を解決していくための一つとして融合化事業に注力しているが、事業力段階までスピーディーに運び早く販売に結びつけていくことが望まれる。さらに組合としてのメリットは何か、そのメリットをどのように出すか、組合・組合員相互に研究していくと共に、組合員ニーズを把握し新たな事業の創出を図っていくことも必要である。