組合名 | 山形県再生資源商工組合(山形市) | ||
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設立 | 昭和52年6月 | 組合員 | 96人 |
組織形態 | 非産地型組合 | 業種 | 再生資源卸売業 |
組合職員 | 1人 | 地区 | 山形県 |
〜指導教育事業等により業界が再評価され、社会的地位が向上〜
近年の環境問題の高まりから、組合の果たす役割は大きくなっている。そこで、指導教育事業を強化。業界が再評価され知名度、社会的地位が向上した。
【事業の背景】
近年、地球全体の環境問題が大きくクローズアップされ、ゴミの削減、リサイクルなどの必要性が高まってきている。また、容器包装リサイクル法が平成9年4 月より施工されるなど、ますます再生資源の有効利用が重要となってくる。そこで、指導教育事業を強化するとともに情報提供を行うことによって、組合及び組合員が果たす社会的使命が高まっていることを組合員及び関係団体に啓蒙した。
【事業の概要】
資源回収と業界の役割、容器包装リサイクル法の概要など、業界と関係があるテーマの講演会、説明会を年6回開催している。また、理事会、懇談会を活発に開催し、各種環境問題に係る資料を配布している。また、当組合は8ブロックに分かれており、それぞれの自治体の長に、総会に出席してもらっているため、自治体との結び付きが強く、適時、密に連絡を取り合い、環境問題への対応策を検討している。その他、県が主催しているリサイクル推進協議会、ゴミ減量化推進県民協議会において、理事長が業界の代表として、業界の立場から意見を述べており、その発言力は大きいものとなっている。
【成果】
資源再利用と地球環境保護の高まりと相まって、業界そのものが再評価されるなど対外的に知名度があがるとともに、社会的地位も向上した。組合員においては、環境問題に対し理解が深まり、組合員自身の社会的役割の重要性が認識され、先端産業感覚も生まれ、組合員の企業活動が盛んになった。また、その他のプラス材料は、徐々にではあるが、組合員の後継者にも社会的役割の重要性が伝わっており、後継者問題にも光がみえてきたことである。
《詳細内容》
【1】実施事業の概要
事業名 | 事業内容 |
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指導教育 | 「資源回収業界の役割と期待」、「容器包装リサイクル法」などの講演会、説明会を年6回開催。 |
情報提供 | 上記指導教育事業で取り上げた内容を中心に、理事会、懇談会、総会等で情報を提供し、また適時各種資料の配布啓蒙している。 |
【2】業界の経営環境
- (1)今後のリサイクル社会構築のために業界が成すべき役割は大きいものであるが、7年度の故紙回収率・利用率とも前年度とほとんど変らず、また、低価格で推移し、末端の経営は苦しい。
- (2)容器包装リサイクル法の関連で業者の資格問題がクローズアップされ、資格取得が課題として浮上してきた。
- (3)組合設立時、110社、現在96社であるが、アウトサイダーは3倍いる。
【3】組合の沿革
防犯協会員の中から店鋪を持つ人で1976年商工組合を結成。資源の再利用が注目されるようになり、資源ごとに専門業者が出現していった。中小零細業者がほとんどを占め事業所の整理整頓の指導に力を入れ、対外的なイメージアップに務めた。平成9年4月から容器包装リサイクル法の施工により一段と環境は厳しくなる。
【4】組織の状況
雇用従業員数人 | 0人 | 1〜5人 | 6〜20人 | 21〜50人 | 51〜100人 | 101〜300人 | 301人以上 | 合計 |
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組合員数 | 73 | 20 | 3 | 96 |
企業形態 | 個人 | 社会 | その他組合等 |
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組合員数 | 58 | 38 |
中小企業以外の者(大企業)の加入 | 組織率 |
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0社 | 80% |
山形/27社 米沢/12社 南陽/6社 長井/6社 寒河江/9社 北東/4社 新庄・最上/9社 庄内/23社 |
【5】諸会議等の状況(平成7年度実績)
理事会 | 定例会 5回 | 随時 0回 | |
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諸会議 | 委員会・部会の数 1 | 委員会・部会の開催回数 1回 | その他の会議の数 1 |
青年部 | あり | ||
女性部 | なし | ||
賛助会員制度 | なし |
【6】ポイント(事業の要点と成果)
指導教育と情報提供の二本柱を事業として展開し、資源再利用の高まりもあって社会的地位が向上し、後継者難も一部解消されてきている。
【7】事業の要点
資源の再利用と地球環境保護の声が高まるにつれて、9年4月から容器包装リサイクル法が施工される。それにともなって特定事業者の認定がなされるが、このままでは、本業界は締めだしをくらう。
容器包装リサイクル法は特定事業者認定により、収集業者を決めるので、本業界は締めだしをくらう。これを防ぐために事業の二本柱をフル活動し、自治体に関与できる協同組合設立を啓蒙推進する。また、資源再利用と環境保護を関連づけて再生紙使用を行政指導で行なえるよう働きがけていく。
全県一つの商工組合でまとまりがよく関連機関への発言力も大きい。
全県を8ブロックにし、各ブロックと自治体との連携を強められるよう、総会をブロック持ち廻りとしている。
全県一つの再生資源商工組合で業界の組織率も80%と高く、関係機関への発言力(意見をきてくれる)も大きい。
【8】成果と成功要因
指導教育と情報提供活動により、職場の整理整頓が相当進み、イメージアップがはかられた。
また、資源の再利用や地球環境保護の高まりから、業界そのものが再評価されるようになってきた。
組合のリーダーが商工組合の事業である指導教育及び情報提供に対し適切な活動を行なっていること〜ほとんどが零細規模であるが、それらを組合員としてよくまとめている。
【9】所見
容器包装リサイクル法の施工は、既存業者の生存権を剥奪するほどの影響力があり、その対応が大きな課題となる。現在組合主導でブロック毎に協同組合設立を呼び掛けているが、その推進を強力に進める必要がある。また零細事業主の統合化、法人化の推進も業界体質を高める対策になる。