《環境庁ふるさといきものの里指定されました!》
 ここ小野川温泉は小野の小町が発見したと伝えられる温泉で、最上川の源流大樽川沿いにあり、豊かな自然ときれいな水に恵まれ、いろいろな魚や鳥、昆虫達も住んでいます。そして毎年初夏には、川辺や田んぼで飛び交うホタルの光が、私たちの心をなごませてくれています。このような豊かな自然環境を地域の財産とし、今後も大切に守ってゆくために、ホタルを地域自然のシンボルとし、自然環境特別保全地区宣言をしています。
 一人一人がホタルを通じて自然への理解を深めるとともに、むやみにホタルを捕まえたり水辺を汚さないように、自然を大切に心がけていきましょう。
 


 ホタルは世界に約2,000種程で、そのうち日本には43種類が生息しております。ホタルはすべて光るものではなく、日本産のホタルのうち強く光るものは約3分の1、まったく光らないものもいます。また、幼虫時代を水の中で過ごすのは、日本ではゲンジボタルとヘイケボタルだけで、世界的にみても珍しいものです。


 小野川温泉に生息するホタルはゲンジボタル・ヘイケボタル・クロマドボタル・ヒメボタル・オバボタルです。特に清流にしか住まないゲンジボタルの生息地として有名で、環境庁の「ふるさといきものの里(小動物生息環境保全地域)」や米沢市の天然記念物に指定されております。


 ゲンジボタルとヘイケボタルの違いは5つほどあります。まず、1つ目は成虫のかたちです。ゲンジボタルは胸の背中側に黒い十文字の紋があるタイプと無いタイプがいます。体長はオスが15mm、メスが18mm程度です。ヘイケボタルは胸の背中側の中央に、太く黒いたて線があります。体長はオスが8mm、メスが10mm程度とゲンジボタルより小型です。
 2つ目は発光器のかたちです。それぞれ、発光器の場所はオスで腹部第5〜6節、メスで腹部第5節にあるのは同じですが、その形が異なっています。
 3つ目は飛び方と発光の仕方です。ゲンジボタルは波線を描くように飛び、「ピカ〜  ピカ〜」っと間をおくように光ります。ヘイケボタルは山を描くように飛び、その間、「チカチカチカチカ」っと光ります。
 4つ目は生息地の違いで、ゲンジボタルが清流の川ばたにのみ生息しているのに比べ、ヘイケボタルは一般の川、みぞ、浅い小川付近にも生息しています。
 最後に5つ目の違いは幼虫の形と食性です。ゲンジボタルの幼虫は生まれたてで約2mm。成長して20〜30mmにもなりますが、ヘイケボタルは生まれたては約2mmと同じくらいですが、成長しても17mm程度と小さいです。食べ物の違いは、ゲンジボタルはカワニナを食べますが、ヘイケボタルはカワニナ、モノアラガイ、ヒメタニシなど色々な物を食べます。


.ホタルのお尻にある発光器には、ルシフェリンという物質がありルシフェラーゼという酵素との酸素反応で光ります。そして夜行性といっても一晩中活動しているわけではなく、夜の7:30から9:00頃までが活動時間になります。この時によく観察すると、空中を飛びながら光っているものと、草木に止まって光っているものがいます。ほとんどの場合、飛んでいるのが雄、止まっているのが雌になります。そして、雄は光を頼りに雌の近くに降りて、さまざまな発光パターンで雌を誘うのです。いうなれば、ホタルの光はラブコールなのです。
 
.ホタルの光は、人間でいえば言葉と同じものです。最近の研究で、東の人と西の人との言葉が違うように、ホタルの世界でも違うことがわかったのです。つまり、ホタルにも方言があったのです。それは、ホタルが一斉に光るとき(集団同時明滅)に、明滅間隔が東日本では約4秒であるのに対し西日本では約2秒なのです。
 また、新潟・長野・静岡あたりには中間型の3秒型がいることがわかりました。そして西日本の2秒型のホタルを東日本につれてきても4秒型には同調しないことなど、東と西のホタルは、遺伝的にも違うことが証明されつつあります。


 米沢において、6月中旬から7月中旬にかけて発生したゲンジボタルの雌は、交尾した後、川岸の水ごけなどに500個前後から多い時には800個近く(ヘイケボタルは50〜100個)の卵を産みつけます。成虫のホタルは何も食べず水をなめる程度で、交尾・産卵後、まもなく死んでしまいます。
 産みつけられた卵は、約30日後にかえります「孵化」。生まれたての幼虫は、水中に入り、カワニナを食べながら(ヘイケボタルはモノアラガイやタニシも食べる)10ケ月以上、長いときで2年間も水中生活をおくります。この間、幼虫は5〜6回脱皮を繰り返し、成長してゆきます。
 成長した幼虫は、5月初旬頃の雨がふる夜に、川岸へはいあがって土の中にもぐり土まゆを作ります。幼虫はこの中でさなぎとなり、約30日後(ヘイケボタルも約30日後)に成虫になります(羽化)。


 昼間のホタルは、基本的に光を避ける習性(背光性)があります。だから、明るいうちは太陽の光を避けるように、草木の葉裏や草の根元でじっとしています。