ＩＴを活用した事業推進

「ＳＯＨＯワーカーのスキル向上に努めながら、ホームページ制作などの事業を展開」

　主に女性の就労支援を目的に、平成１３年度に山形県の緊急雇用推進事業で立ち上がった組織が母体となって、ＩＴ関連の諸事業を受託し実施していたが、任意団体では顧客との契約時や在宅ワーカーへの支払いなどの際、信用面での不安があったため、平成１６年に企業組合を設立した。

　働く能力がありながら、結婚退職や子育て、再就職準備中などの理由で働けない人を、在宅ワーカーとして組織して、ホームページ制作、情報処理サービス、音声起しなどのＩＴ関連事業を展開している。
　設立当初から、顧客の要望に応じて雑多な業務を受託してきたが、今期からは事務所移転を機に戦略的な業務展開に方針転換し、ホームページ制作に力を入れている。
　顧客の満足度を高めるためには、ワーカーのスキルのばらつきをなくすことが重要な課題であると認識し、組合独自の登録試験を義務付けている。また仕事を委託する際には、より高度なスキルチェックのテストも実施している。役員・ワーカーの連絡やコミュニケーションの徹底のために、メールやＳＮＳを有効に活用している。

　受注競争や価格競争の激しい市場であるが、組合独自の登録試験や、実戦的なスキルチェックのテストにより、ワーカーのスキルを一定水準に高めることに成功しており、顧客満足の向上につながっている。
　企業組合を設立したことにより、社会的な信用度の向上と事業の安定につながり、組合員もパソコンのスキルを活用して今後も仕事ができる環境が整った。家庭や他の活動との両立も可能で、少ないながら役員報酬も得られるようになった。