山形県中小企業団体中央会
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組合名山形県美容環境衛生同業組合(山形市)
設立昭和32年10月 組合員 1,367人
組織形態 同業種網羅型組合 主な業種 美容業
出資金 2,067万円 地区 山形県
組合従業員 5人

〜業界の新たな時代へ切り込むための、積極的な事業展開〜

組合会館新築、職業訓練校運営イベントの企画運営、ボランティア事業の展開、イメージアップ対策等、時代の要請に応じた事業展開により、美容業界の活性化に大きく寄与している。

【青年部結成の背景・経緯】

 組合にはいくつかの委員会組織があったが、新規事業の調査や企画を行うところはなく、新理事長の就任を機に青年委員会が設立された。
 美容会館の新築ということが組合事業の大きな目標であったが、そのために活用できる助成制度の研究と実施を担うものとして、青年委員会が位置づけられた。また青年部が着手して軌道に乗せた事業を、関連する他の委員会が引き継いでいくという形態が多かった。
 青年委員会は、以上のような新規プロジェクトの中心的な推進組織であり、当初は部長1人が活動する状況であったが、設立2年目からは、県内13支部から青年部員を募り、現在の15人体制となっている。

【青年部活動の概要】

 組合の戦略的な事業展開をはかるための、企画立案を行うことが青年委員会活動の大きな役割である。
 結成時は、組合会館の新築のための助成制度の活用研究が中心であった。
 設立当初は、たったひとりでスタートした青年部活動であったが、現青年部長のバイタリティー溢れる活動力により、組合会館の新築という大事業を成し遂げることができた。施策制度について地道な研究を重ね、制度資金を有効に活用したことも大きい。
 その他にも、様々なイベントの企画運営(美容技術選手権大会、クリスマスパーティー等)を担当するとともに、ボランティアカットの実施や、イメージアップ対策としてパンフレットの作成、職業訓練校運営に対しての協力など、組合の大きな事業に関しては、中心的な役割を果たしてきている。
 また高齢化社会の到来など時代の変化に合わせた戦略的な企画として、県内老人ホームへの有償ボランティア事業を実施するための調査研究事業にも着手している。
現在は、「福祉と美容」ということを大きなコンセプトとした事業展開を検討しているところである。

《詳細内容》

【1】実施事業の内容(平成10年度実績)

事業名
  • (1)組合立山形美容専修学校事業
  • (2)融資事業(振興事業融資)
  • (3)自賠責補償事業
  • (4)福利厚生事業
  • (5)技術向上事業
  • (6)職業訓練事業
  • (7)その他事業

【2】組合員の経営環境

(1)経営環境

経済構造の変革が進むなか、異業種の進出、労働時間の短縮等、美容業界を取り巻く経営環境は厳しさを増している。
社会全体の小子化・高齢化の急速な進展により、「美容と健康」、「美容と医療」、「美容と福祉」といった新たな視点から、今までの経営を見直す動きも起こっている。
かつてなかったような大きな変化が進むなか、転廃業等による組合員数の減少、非組合員の増加なども目立っているが、青年部を中心とした団結と、バイタリティー・英知を結集して、組合事業の活性化に取り組んでいるところである。

(2)組合員の企業規模
雇用従業員数人0〜10人11〜50人51〜100人101〜300人300人以上
組合員比率(%)6832   

【3】組合の沿革

  • 昭和32年10月:組合員574名で設立
  • 昭和34年:火災共済事業制度を確立
  • 昭和35年:適正化規定認可
  • 昭和41年:現地に美容会館設立
  • 昭和43年:新聞「美容やまがた」発刊
  • 昭和44年:組合立山形美容専修学校創設
  • 昭和63年:適正化規定の廃止
  • 平成5年:「活路開拓ビジョン」の策定
  • 平成7年:山形県美容業職業訓練校の認可
  • 平成10年1月:組合創立40周年記念事業実施

【4】青年部の組織内容

(1)組織体制
山形県美容業環境衛生同業組合
組織体制図
(特徴点とポイント)

青年部は組合の1委員会という位置づけであるが、その存在意義を明確にする意味から、現在運営規約の見直しを行っているところである。

(2)構成員の内容と推移

男性6名、女性9名。
初年度は部長1人のみの体制で、2年目以降から、県内13支部から1人ずつ選出されるようになり、現在に至っている。

(3)青年部からの組合役員

2人

(4)有資格者で未加入者の勧誘の状況

各支部から推薦される形なので、加入を特に勧めてはいない。

(5)活動の方法・役割分担

青年委員会は組合の一委員という位置づけであり、役割は以下の通りである。
組合運営の基盤作りと、その活用・対策。

  • (1)イベント企画
  • (2)中央会への協力
  • (3)各委員会との連携
  • (4)職業訓練校運営に関する協力

現在、上記については、運営規約を見直している最中である。

(6)経費の状況

会費はなし。すべて親組合の予算から拠出している。

【5】活動の内容

(1)活動目標
  • 1.毎年6月に開催される美容技術選手権大会の企画運営
  • 2.毎年6月・9月・12月に実施されるボランティアカット(慰問カット)
  • 3.12月の組合員親睦のクリスマスパーティーの企画運営
  • 4.高齢化対策事業として、県内老人ホームへの有償ボランティア事業を計画中
  • 5.職業訓練校運営に対しての協力
(2)最近の活動内容(平成11年実施)
主な事業活動内容・特徴点主な成果
第19回山形県美容技術選手権大会平成11年6月村山市民会館で開催。
県内組合員120名が選手登録し参加。
村山支部・地区の特色を生かした企画運営で、また組合員の技術の高度化に大いに寄与した。
ボランティアカット山形市「あたご荘」にて、6・9・12月の第二月曜に実施。一回当たり約60〜70名のカットを行った。高齢者から大変喜ばれ、次回の来所を強く要望された。
高齢化対策事業県内120の老人ホームに調査を実施。
アンケートを集計し今後の活動に反映させる。
今後の有償ボランティア活動の基盤づくりとなった。
青年中央会20周年事業青年中央会20周年事業への協力として、記念誌の企画作成、記念式典、協賛広告の協力等へ、理事として協力。 
組合員親睦会
「クリスマスパーティー」
組合員への謝恩として、今年度は12月6日に開催。 
職業訓練校運営協力訓練校二期生入学に向けて説明会の実施とカリキュラムの見直し検討。事業所説明会と訓練生希望者説明会を開催し、賛同を得た。
(3)今後の活動計画
主な事業活動内容・特徴点経費
高齢化対策事業のあるべき姿を検討し、実行に移す。平成11年度内で、県内老人ホームのアンケートと聞き取り調査が終了し、当組合に対する期待の高さが確認できた。今後は計画を再検討し、具体化させて、平成12年度から有償ボランティア活動として実施できるようにする。未定
(4)活動の推移

新たな法制度への対応や新事業への調査検討が、青年部設立当初の大きな役割であった。
また組合会館の新築事業に関しては、制度資金を活用するために中心的な役割を果たした。
その後、職業訓練校運営に関する事業が大きなテーマとなった。
現在では、高齢化社会へ対応した福祉という視点から、新たな事業企画に取り組んでいる。

【6】組合との関係

(1)組合の青年部の育成方針等

組合の大きな事業については、その大部分において、青年部が主導的な役割を果たしてきたといえる。
組合としては、青年部の位置づけを、一委員会組織という形ではなく、各委員から独立した組織として、より明確にしていく方針である。そのために、現在、運営規約の見直しを進めているところである。
なお、今までの青年委員会活動は、労確法の研究(適用は見送り)や職業訓練校運営など、どちらかというと雇用従業員のいるサロンを対象とした事業が多かった。
今後はより小規模の組合員をも対象とした親睦事業にも取り組んでもらいたいというのが、親組合の意向である。

(2)青年部の位置づけ・役割等

現在のところ、組合内部の一委員という位置づけであり、調査・企画を主に担当している。
調査・企画結果については、関係する委員会にフィードバックしている。
特に組合の中長期的・戦略的な事業については、青年部が主導的な役割を担っているといえる。

【7】他組合の青年部との交流状況

青年中央会、魚商青年部との人的な交流がある。

【8】青年部の抱える問題点と克服状況

会員数が15名と少ないこと。組合員の減少、組合加入率の低下という厳しい状況であるが、現在の青年部員数は全組合員数の1%強にとどまっている。また、ある程度経営の安定した組合員から選出するという方針であるため、青年部といってもやや年代の高い層が中心メンバーになっている。青年部の活力を維持するためには20代の若いメンバーの参加が望まれるところである。
組織上は、組合の一委員会という曖昧な位置づけであるが、現在規約を見直し、明確な役割を持つ組織として来年度からスタートする予定である。

【9】今後の課題と方向

今までの活動は、従業員を雇用している規模の組合員を対象としたものが多かった。
今後は家族だけで経営している規模の組合員にも、組合加盟のメリットが感じられるような、懇親・交流事業にも力を入れてゆく必要がある。
あわせて、青年部活動の意義と重要性を、より深く組合員に浸透させてゆくことが求められている。
組合の事務局体制に関しては、常務理事をおき、プロパー職員を雇用育成したいという希望を持っている。

【10】ポイント

組合員の先進的企画・運営を、中心となって実行し、組合員をリードしてきた。
組合会館の新築など、多額の投資が必要な事業に関して、公的な施策・制度を十分に研究し、有効に活用してきた。またパンフレットの作成などにより、美容業界のイメージアップにも大きく貢献している。
ボランティア事業や高齢者対策など、時代の要請に応じたテーマを取り上げ、確実に実行してきた。

【11】活動の要点

組合の戦略的な事業展開をはかるための、企画立案を行うことが大きな使命となっている。
結成時の大きなテーマは、組合会館の新築のための助成制度の活用研究であった。その後、イメージアップ対策事業としてパンフレットを作成し、学校などに配布するなど、美容組合の知名度向上に大きく寄与してきた。
なお、現在実施している主な活動は以下の通りである。

  • 1.毎年6月に開催される美容技術選手権大会の企画運営
  • 2.毎年6月・9月・12月に実施されるボランティアカット(慰問カット)
  • 3.12月の組合員親睦のクリスマスパーティーの企画運営
  • 4.高齢化対策事業として、県内老人ホームへの有償ボランティア事業を実施するための調査研究
  • 5.職業訓練校運営に対しての協力

【12】成功要因

設立当初は、たったひとりでスタートした青年部活動であったが、現青年部長のバイタリティー溢れる活動力により、組合会館の新築という大事業を成し遂げることができた。
組合会館の新築に関しては、制度資金を有効に活用したことが大きな要因である。これも、施策制度について青年委員会が中心となって、地道な研究を重ね、また行政の担当窓口にも足繁く通ったことによって達成できたことである。
時代の変化やライフスタイルに合わせて、活動のテーマを定め、着実に実行していくという姿勢が、組合活動全体の牽引車の役割を果たしてきたものといえる。

【13】所見

組合員の減少や非組合員の増加といった厳しい環境にあるが、今後は青年部員の数を増やすことが望まれる。
今まで実施してきた企画・調査事業などに加えて、今後は経営規模の小さい組合員を対象とした事業も展開する必要があるが、そのためには現在の15人体制では負担が大きくなると考えられる。現在の15人は各地区の青年部の責任者という位置づけにし、新たに青年部員を募集し、組織するといった方法が考えられる。
なお、今後の活動の大きなテーマとして、「福祉と美容」・「高齢化社会への対応」ということも掲げているが、これらのテーマは時代の要請にかなったタイムリーな企画であるといえる。すでに高齢者向けの有償ボランティアカットを行うための、調査事業に着手しており、大きな成果が期待できる。


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