山形県中小企業団体中央会
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組合名山形県醤油味噌工業共同組合(山形市)
設立昭和22年7月 組合員 49人
組織形態 同業種網羅型組合 主な業種 しょうゆ・みそ製造業
出資金 2,159万円 地区 山形県内
組合従業員 3人

〜戦略的な事業展開により、醤油味噌業界活性化に貢献〜

青年部活動を通じて、県産醤油味噌の消費拡大と業界イメージアップに大きく貢献してきた。
法制度の変革や、消費・流通構造の変革に、戦略的に対応している。

【青年部結成の背景・経緯】

 昭和58年2月に、後継者の交流・研修の場として、青年会(任意組織)が発足した。当初は親睦を中心とした活動であった。
 その後、醤油味噌の需要拡大をはかることを大きな目的とし、需要拡大委員会を組織し、醤油味噌を使った新しい料理の提案などを実施、イベントへの参加による県産醤油味噌のPR活動などを次々と実施してきた。
 平成4年度に、活路開拓事業を実施し、醤油味噌の製造だけにとどまらず、それらを原料とした付加価値の高い商品の開発に取り組んだ。
 この活路開拓事業を受けるのを機に、組合定款を変更し、青年会を明確な組織にした。

【青年部活動の概要】

 組合の後継者を育成し、醤油味噌業組織化活動を推進して、醤油味噌業の進行に寄与することを目的として、様々な事業を展開している。
 主な事業としては、(1)情報交換事業、(2)各種研修会事業、(3)醤油味噌業の振興に必要な建議、陳情、提言並びに奉仕、(4)福利厚生事業、(5)これらに付帯する事業、等である。

【青年部活動の成果】

 醤油味噌業界においては、需要の低迷や、小売業の構造変化等、社会経済環境の変化が急速に進んでいるが、このような急激な変化への対応において、青年会は、醤油味噌を活用した付加価値の高い商品の開発や、新たな販路の確保など、戦略的な事業に積極的に取り組み、県産醤油・味噌の消費拡大と業界全体のイメージアップに中心的な役割を果たしてきた。
 また「組合マーケティング強化対策事業」、「活路開拓ビジョン実現化事業」等、組合と業界活性化のための施策・制度を有効に活用したことも、着実な成果につながっている。
 平成11年度は、県産醤油味噌のPR活動の継続や、会員相互の意見交換と交流を充実させ、組織の活性化を図るために、情報交換事業、研修会事業、福利厚生事業、研究調査事業を実施する方針である。
 今後の課題としては、JAS法改正・容器包装リサイクル法への対応や、技術研究の推進、醤油の木箱の確保事業、リサイクルシステムの研究などが大きなテーマとして揚げられている。さらに、他業界に比べて相対的に低い賃金問題や、労働安全衛生面の改善にも取り組んでいるところである。さらに、他業界に比べて相対的に低い賃金問題や、労働安全衛生面の改善にも取り組んでいるところである。

《詳細内容》

【1】実施事業の内容(平成10年度実績)

事業名
  • (1)原材料の共同購入
  • (2)共同融資
  • (3)技術指導
  • (4)共同検査
  • (5)山形県醤油味噌品評会の開催
  • (6)みそPR事業
  • (7)ホームページ作成事業

【2】組合員の経営環境

(1)経営環境

大型量販店の進出による市場の変化と、中小小売店の減少、コンビニエンスストアの急増等による販売チャネルの減少により、組合員の多くは出荷額の減少に直面している。
とりわけ、消費者が、醤油・味噌をスーパーの店頭でペットボトルやパック入りの状態で購入するようになったり、インスタント味噌汁を利用するようになったことも大きい。
また容器包装リサイクル法の施行や、国産小麦の民間流通への移行、食糧輸入の自由化の拡大等、かつてなかった大きな経営環境の変化が生じており、組合員はその対応に追われているところである。
このような経営環境の激変のなか、製品ラインアップの絞り込みや、OEMの動きも拡大している。

(2)組合員の企業規模
雇用従業員数人0〜10人11〜50人51〜100人101〜300人300人以上
組合員比率(%)81.418.4 0.2 

【3】組合の沿革

  • 昭和22年:山形県醤油味噌工業共同組合設立
  • 昭和37年:醤油味噌会館落成
  • 昭和54年:活路開拓事業「しょうゆの低塩化」
  • 昭和58年:青年会設立
  • 昭和61年:組合だより「醤油通信」発刊
  • 昭和63年:組合マーケティング強化対策事業
  • 平成元年:組合会館新築
  • 平成4年:活路開拓ビジョン実現化事業「付加価値のある商品の開発」
  • 平成9年:組合設立50周年記念式典
  • 平成9年:労働時間短縮自主点検事業

【4】青年部の組織内容

(1)組織体制
山形県醤油味噌工業協同組合
 ・
山形県醤油味噌工業協同組合 青年会
(2)構成員の内容と推移

人数には出生率の関係もあり、年度により若干の変動がある。また、零細な組合員には廃業するものもでてきている。
組合の事務局長が、青年会の事務局をつとめている。

(3)青年部からの組合役員

1人

(4)有資格者で未加入者の勧誘の状況

組合委員49社中、青年会員は14名であるが、女性がいないため、現在勧誘中である。

(5)活動の方法・役割分担

会則は「山形県醤油味噌工業協同組合青年会規約」により定める。
会議は、通常総会・臨時総会の他に、役員会、研修会、山形県中小企業団体中央会関係の会議を開催している。
役員は、理事5名以上7名以内、監事2名で、役員の任期は2年(再任を妨げない)となっている。

(6)経費の状況

一人年間18,000円。このほか組合から30万円を拠出している。

【5】活動の内容

(1)活動目標

組合の後継者を育成し、醤油味噌業組織化活動を推進して、醤油味噌業の進行に寄与することを目的とする。
主な事業としては、(1)組合運営等の健全化に資する情報交換事業、(2)会員並び業界のためにする各種研修会事業、(3)醤油味噌業の振興に必要な建議、陳情、提言並びに奉仕、(4)会員並び業界のためにする福利厚生事業、(5)これらに付帯する事業、等である。
平成11年度は、県産醤油味噌のPR活動の継続や、会員相互の意見交換と交流を充実させ、組織の活性化を図るために、情報交換事業、研修会事業、福利厚生事業、研究調査事業を実施する方針である。

(2)最近の活動内容
主な事業活動内容・特徴点主な成果
先進地視察の実施全国の先進的な製造設備や分業化の状況を視察、また原料大豆の視察にについては中国まで出かけた。 
年3回の例会情報交換と講師を招聘しての研修会。 
山形市の初市でのPR活動県産味噌のPRのため、無料で味噌汁200杯を提供。各社の合わせ味噌500kgを販売。当日しか手に入らない各社の合わせ味噌が好評。午前中で完売。
組合ホームページの作成青中央会の助成を受け、組合ホームページを開設した。全国に向けた情報発信が可能になった。
(3)今後の活動計画
主な事業活動内容・特徴点
環境問題への対応容器包装リサイクル法への対応
リサイクルシステムの研究
労働安全衛生への対応労働省の「団体安全衛生活動援助事業」を活用して、ボイラー・フォークリフト・酸欠等、労働安全衛生に関する資格の取得に取り組む。
(4)活動の推移

会員の相互親睦を深めることを目的に発足したが、その後、経営者としての必要な様々な情報の収集・交換のための講習会の開催、工場見学会等の技術研修会の実施、業界の需要拡大をはかるための調査・研究事業等を実施してきた。
現在では、技術研究や醤油の木箱の確保事業、リサイクルシステムの研究などに及んでいる。

【6】組合との関係

(1)組合の青年部の育成方針等

役割分担としては、親組合は全組合員を対象とした事業を担当し、青年会は独自の発想で自由に活動することを期待している。青年会には、時代の変化にあわせて、革新的な事業を展開する役割を期待している。
そのためには、かならずしも味噌醤油にこだわる必要はないと考えている。
近年は、需要の低迷や、小売業の構造変化等、業界を取り巻く社会経済環境の変化が急速に進んでいるが、このような急激な変化への対応において、青年会は、醤油味噌を活用した付加価値の高い商品の開発や、新たな販路の確保など、中心的な役割を果たしてきた。

(2)青年部の位置づけ・役割等

青年会は独立した予算を持つ組織となっている。
基本的な方針は親組合が決定し、具体的な活動内容を青年会が検討するという体制で活動している。
現在の役員は、会長1名、副会長1名、監事2名の体制である。

【7】他組合の青年部との交流状況

東北6県の連合会(東北味噌醤油工業協同組合連合会)における研修会に参加している。
味噌の全国団体が開催する年2回の研修会に参加している。
漬け物組合に加入しているものも、10名いる。

【8】青年部の抱える問題点と克服状況

需要拡大や販路の見直し、他業界と比較した賃金格差や職場環境等の労働問題、環境問題への対応等、個々の組合員の経営面においては、基本的に親組合と同じ問題に直面している。青年会といっても、経営者層も多く、組合全体の問題として考えねばならない場合が多い。
さらに、流通構造の変化が急速に進展しているため、製品ラインアップや販路の見直し等、業態の大きな変革を迫られている状況である。
また青年会の運営上の問題点としては、大々的なPRを展開しようとしても予算の問題で実行が難しいことがあげられる。

【9】今後の課題と方向

JAS法改正、原材料調達先の検討等、制度や流通変革への対応が急務である。
このような時代において、組合そのものが、どのような事業を展開すべきか、その存在意義や運営体制が問われている。かつては組合加入のメリットとして、政府払い下げの米・小麦を安価に調達できることであったが、今後はより社会・経済の変化に対応した、より戦略的や役割を果たすことが求められている。
すでに他業種と連携して東京に「そば」のアンテナショップを開店したり、組合員のなかには損保業等の異業種を兼業するものも増えており、様々な経営形態が生じている。
今年度は、労働安全衛生関連の資格を取得することが重要と考えている。労働省の制度も活用しながら、積極的に推進してゆく方針である。

【10】ポイント

親組合と密接な連携を保ちながら、県産味噌・醤油のPRや、品質管理の徹底、経営の高度化、新たな販路の開拓など、時代の変化に合わせた業態の変革に先導的に取り組んでいる。
後継者・経営者としての資質の向上に取り組んでおり、また職場の安全衛生面の改善のための資格取得事業も積極的の推進しており、業界全体のイメージアップに大きく寄与している。

【11】活動の要点

会員の相互親睦を深めることを目的に発足したが、その後、経営者としての必要な様々の情報の収集・交換のための講習会の開催、工場見学会等の技術研修会の実施、業界の需要拡大をはかるための調査・研究事業等を実施してきた。組合マーケティング強化対策事業、活路開拓ビジョン実現化事業、労働時間短縮自主点検事業等の事業において、中心となって活動し、また県産味噌醤油のPR活動においても初市や物産展への参加等、先頭に立って活動を推進してきた。
現在では、技術研究や、醤油の木箱の確保事業、リサイクルシステムの研究などに活動を拡大している。

【12】成功要因

製品への高付加価値化への要求、販路の見直しなど、時代の変化を敏感に察知し、すばやい対応を行ってきたことが大きな要因である。
青年会員のなかには経営者も多く、自社の経営の安定と成長のために不可欠の事業として、青年会活動に積極的に取り組んできたことも、着実な成果を上げてきたことの大きな要因である。
また「組合マーケティング強化対策事業」、「活路開拓ビジョン実現化事業」等、組合と業界活性化のための施策・制度を有効に活用し、着実な成果を上げてきたことも、青年会活動に自信を深め、新たな活動に取り組む動機にもつながっている。

【13】所見

青年会の果たしてきた役割は、社会・経済の変化への対応や、組合員企業の経営の高度化、県産醤油味噌の知名度向上やイメージアップなどであり、大きな成果を上げてきている。この基本的な方向性は今後も継続していく必要がある。
今後はさらに大きな変化の時代を迎え、醤油味噌製造業という既存の業態の枠にとらわれないダイナミックな思考と活動が要求されている。特に、小売業界における構造変化にどう対応し、販路を確保してゆくのか、また容器包装リサイクル法等の環境問題にいかに対処するのかといったことが、緊急の課題である。
他業界との賃金格差や労働環境の問題も存在する。ISO認定取得や、労働安全衛生の改善なども今後の大きな取り組み課題といえる。


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