組合名 | 山形建設工業団地協同組合(山形市) | ||
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設立 | 昭和49年7月 | 組合員 | 9人 |
組織形態 | 異業種型組合 | 主な業種 | 建設関連業 |
出資金 | 3,212万円 | 地区 | 山形市 |
組合従業員 | 3人 |
〜デザイン開発機構を設立、創造型人材養成事業を推進〜
施主と設計者を結びつける人材の育成を目指しデザイン開発機構を設立。 デザイン研修を中心とした人材養成事業を推進。創造型人材の養成に成果。
【事業の背景】
建設関連業界では施主の要望が伝わり、また設計者の設計意図が良く理解されてはじめて評価の高い建物が完成する。そのため業者として施主と設計者を結びつけるコーディネート機能が強く求められていた。当組合としてこのようなコーディネート役・プロデューサー役をこなせる「人づくり」を目指すため、デザイン開発機構(DDO)を設立し、平成2年度よりデザイン研修を開始。平成5年度認定職業訓練校の指定を受けるに至っている。組合員の相互啓発と相互開発を実践していきたいとの理事長の強い指導理念が、人材養成事業の推進に結びついている。
【事業活動の概要】
人材養成事業としてデザイン研修、特別デザイン研修、EC勉強会を行っている。訓練校でのデザイン研修内容は大変充実し、毎月1回年12回の3年間の連続研修を行っており組合員の大半が利用している。デザイン感覚の醸成は1年次〜3年次で、コーディネート役・プロデューサー役をこなせる「人づくり」は「特別デザイン研修コース」で行っている。事業推進に当たり、アーティストグループの意見を参考にしながら研修計画を作成、また同グループが研修の指導に当っている。(1)研修運営に当たりアーティストグループを機構に組み込み活用したこと (2)研修設備の取得あるいは運営費用の面で、公的機関からの助成・補助が得られたこと (3)DDON(デザイン開発機構ニュース)を発行し、啓蒙活動を行ったこと、等が成功要因である。
【成果】
事業による成果としては、(1)デザイン研修等を利用した延べ人数は200人と、組合員従業者の多数が参加したこと (2)研修を通じて、外部専門家との間のネットワークの構築が出来たこと (3)講師として招聘した彫刻家などからオブジェの受注等があり、新しい事業分野が開けつつあること (4)研修で習得したことが仕事の面、人間形成の面で役に立っていること (5)組合員から総じて高い評価を得ていること、等があげられる。
《詳細内容》
【1】実施事業の内容(平成9年度実績)
事業名 | 事業内容・事業実績 |
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団地の運営・管理事業 | 団地内の整備、公害防止と環境整備(公害防止協定の遵守、生活廃棄物の処理) |
人材育成と情報事業 | (1)職業訓練校の運営(1〜3年次、年間12回開講) (2)教育・情報事業(通年テーマで年6回、各回の参加者20〜30名) (3)情報誌DDONの発行(毎月1回) |
金融事業 | 商工中金から借入、組合員に対する転貸融資(取得額322,000千円) |
【2】組合員の経営環境
建設工事の需要の落ち込みで非常に厳しい環境下にある。特に3年前から組合員の完成工事高の減少が続き、今年度は組合員全員が完成工事高減になると思われる。また全国的な需要減のため、大手建設会社の進出で受注競争が激化し、受注量は確保出来ても収益面では著しく低下している。団地全体で完成工事高が減少したのは、組合設立以来初めてである。
- 一般建築、住宅、土木:1
- セメント2次製品:1
- 石材:1
- 内装・インテリア:1
- 塗装:1
- 建具:1
- 造園:1
- 鉄骨加工:2
雇用従業員数人 | 0人 | 1〜3人 | 4〜10人 | 11〜20人 | 21〜50人 | 51〜100人 | 101〜300人 | 301人以上 | 合計 |
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組合員数 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 9 |
【3】組合の沿革
- 昭和49年7月:組合設立
- 昭和53年4月:団地完成
- 平成元年4月:組合の内部機構としてDDO(デザイン開発機構)を設立
- 平成3年6月:DDOが中小企業人材育成プロジェクト実施団体に指定される
- 平成5年4月:DDOの人材育成部門が認定職業訓練校の指定を受ける
【4】諸会議等の状況(平成9年度実績)
理事会 | 定例会 2回 | 随時 0回 | |
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諸会議 | 委員会・部会の数 3 | 委員会・部会の開催回数 3回 | その他の会議の数 0 |
青年部 | なし | ||
女性部 | なし | ||
賛助会員制度 | なし |
【5】ポイント 要点と成果
評価の高い建物を完成させるため施主と設計者を結びつける、創造型人材の養成を目指しデザイン開発機構(DOO)を設立。デザイン研修を中心とした人材養成事業を推進。(1)外部専門家とのネットワークの構築 (2)オブジェの受注等の新しい事業分野の展開 (3)研修で習得したことが人間形成面・実務面で効果、等の成果をあげている。
【6】活動の要点
(1)建設関連業界では施主の要望が伝わり、また設計者の設計意図が良く理解されてはじめて評価の高い建物が完成する。そのため業者として施主と設計者を結びつけるコーディネート機能が強く求められていた。当組合として、このようなコーディネート役・プロデューサー役をこなせる「人づくり」を目指すため、デザイン開発機構(DDO)を設立し平成2年度よりデザイン研修を開始。平成5年度認定職業訓練校の指定を受けるに至っている。
(2)人材養成事業としてデザイン研修、特別デザイン研修、EC勉強会を行っている。訓練校でのデザイン研修内容は大変充実し、毎月1回年12回の3年間の連続研修で、組合員の大半が利用している。アーティストグループの意見を参考にしながら研修計画を作成。また同グループが研修の指導に当っている。
【7】成果と成功要因
- (1)研修を通じて外部専門家とのネットワーク構築が図れたこと。
- (2)招聘した講師からオブジェの受注等があり、新しい事業分野が開けつつあること。
- (3)研修で習得したことが仕事の面、人間形成の面で役に立っていること。
- (4)組合員から総じて高い評価を得ていること。
等があげられる。
- (1)「共に学び、共に競い、共に考え、共に創る」相互啓発と相互開発を実践していきたいとの理事長の指導理念のもと、 関係者が一体となり事業に取り組んだこと。
- (2)研修運営に当たりアーティストグループを機構の一環に組み込み活用したこと。
- (3)研修設備の取得及び運営費用について公的機関からの助成・補助を受けることが出来たこと。
- (4)瓦版DDON(デザイン開発機構ニュース)の発刊を通じ啓蒙活動を行ったことで、 多くの組合員従業者の研修への参加に結びついたこと。
【8】所見
今後の課題としては、(1)研修を通じて得た人的ネットワークを活用し、新しい分野であるモニュメントなどデザインものの共同受注事業へ取り組みたい。 (2)人材養成に対する組合員の認識・理解の向上への一層の取り組み強化。 (3)共同金融事業への取り組み強化等があげられる。組合員へ人材養成事業に対する理解・協力を得ながら今後完全研修者の割合を向上し、より高度なコーディネーターを育成する必要があると共に、人材養成事業における予算の確保も図っていく必要がある。