山形県中小企業団体中央会
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組合名協同組合やまのべショッピングプラザ
(店鋪名:ベル) (東村山郡山辺町)
設立 昭和60年9月 開店 平成元年12月
組合員8人 テナント(非組合員) 6人
出資金 4,000万円 組織形態 ショッピングセンター型
店鋪全体従業員 65人 組合職員 2人
店鋪構造 地上2階、建物面積3,733平方メートル
売場面積1,955平方メートル、駐車場204台

〜リニューアルで増床し、売上高が2ケタ増加〜

県内最大規模の大型店が隣接する山形市に開店する前に、店鋪の増床リニューアルを行い、売上高が増加するとともに、大型店に対抗できる競争力をつけた。

【事業活動の背景】

 開店当初の売上高は、比較的順調に推移したものの、平成3年から5年にかけて大型店の進出が相次ぎ売上げが伸び悩んだ。大型店に対抗するには、店鋪の増床による不足業種の導入と店鋪レイアウトの見直しが必要であった。そして、県内最大規模の大型店の出店計画がもちあがり、対応を協議した結果、大型店の開店前に増床リニューアルを行うこととした。

【事業活動の概要】

 平成6年12月、店鋪の増床リニューアル事業の実施を決定し、平成7年9月、敷地を185平方メートル、建築面積を189平方メートルそれぞれ増床しニューアルオープンした。リニューアルのポイントは、核店鋪を中心に売場の改善を図るとともに、店鋪全体の商品構成を充実させるため、個店の商品品揃えの見直しと調整を図り、カバン・袋物店など不足業種を新たに加えたことと回遊性を高めるためのレイアウトに改善したことである。なお、開店当初からポイントカード事業を実施しているが、平成4年に顧客管理システムを構築し、販売促進や売上データの分析などに活用している。

【成果】

 今回の増床リニューアルにより、町内における地域1番店としての地位をさらに強固なものにし、大型店にも対抗できる競争力をつけた。リニューアル後の店鋪全体の売上高は、リニューアル前と比べ10%以上の増加となっている。また、若い世代にとっても魅力的な店となり、20〜30代の来店者が増加した。開店から6年で、リニューアルすることに対し、組合員の一部からは不安の声もあったが、改善方針を明確にし、その必要性と改善効果を組合員に説明したこと、実行した理事長を始めとするリーダー達の実行力が成功要因である。

《詳細内容》

【1】実施事業の概要

事業名事業内容・事業実績
販促事業共同チラシ(月4回)、ポイントカード(会員10,000人)、催事(年9回)
福利厚生事業社員旅行(年1回、5月頃)、健康診断、社員親睦会(年3回)
調査研究事業顧客管理(常時POS活用)、消費者懇談会(年2回)
売上管理事業売上金の管理及び売上データの作成にもとづく組合員の指導
教育指導事業社員教育(接客、クレーム処理など講師を呼んで実施)、先進地視察(年1回)他

【2】共同店鋪の立地環境

山辺町のJR駅の近くに立地している。山辺町は人口15千人であり、山形市のベッドタウンとして人口が増えている。当共同店鋪の商圏は、山辺町の中心部である山辺地区と山形市鮨洗地区など車で10分以内を第1次商圏とみている。第1次商圏人口として3,600世帯、14,000人くらいを考えている。主な競合店は町内の食品スーパー(ダイハン)、隣接している中山町の共同店鋪(ライズ)及び山形市内の大型店である。

【3】組合・店鋪の沿革

昭和59年4月にやまのべショピングプラザ設立準備委員会が発足し、共同店鋪開発の基本計画を作成し、昭和60年9月には協同組合やまのべショピングプラザを設立した。関係機関の指導や中小企業事業団の本診断を受け、平成元年12月にショピングセンター型の共同店鋪「ベル」をオープンした。その後、周辺に大型店の出店が相次ぎ、これらの大型店対策と消費者ニーズの変化に対応するため、平成7年9月には敷地を185平方メートル、建築面積189平方メートルそれぞれリニューアル増床した。増床に合わせて不足業種の充足と生鮮品及び衣料品などの充実を図っている。

【4】諸会議等の状況

理事会定例会 月1回随時 年4回
諸会議委員会・部会の数 6委員会・部会の開催回数 月40回その他の会議の数 1
青年部なし
女性部なし
賛助会員制度なし

【5】ポイント(事業活動の要点と成果)

町内の商業者を中心としたショッピングセンター型の共同店鋪を平成元年12月にオープンした。オープン直後は消費者の支持を受けて比較的順調に推移したものの、平成3年〜5年にかけて競合する大型店が相次いで開店し、さらに県内最大規模の大型店の出店計画が表明された。この時、大きな危機感を持ち、大型店の開店前に増床・リニューアルを実施し、10%以上の売上増加を続けている。

【6】事業の要点

商業環境の変化とその変化が共同店鋪及び組合員にもたらした影響

隣接する山形市に競合する大型店(平成3年=店鋪8,513平方メートル、平成5年=店鋪6,500平方メートル)が開店したため、共同店鋪の売上げが伸び悩み、組合員間に売上の格差が目立つようになった。また、山辺町と山形市を結ぶ新らしい道路の開通により、山形市への購買流出が増加傾向となった。

共同店鋪の活性化と魅力向上のための事業活動等の要点

開店当初からのポイントカード事業に加え、平成4年からは顧客管理システムを完成させ、販売促進や売上データの分析などに活用している。しかし、競合する大型店の開店、店鋪の狭あい化、店鋪レイアウトの改善の必要性、不足業種の導入の必要性などを感じ、県内最大規模の大型店の出店表明を契機として店鋪の増床・リニューアル計画を平成6年に策定した。平成6年12月の臨時総会において事業実施を決定し、平成7年9月には敷地を185 平方メートル、建築面積を189平方メートルそれぞれ増やし、リニューアルしている。

事業活動等の仕組みの要点

増床リニューアルの実施に合わせ、(1)店鋪のレイアウトの見直し、(2)核店鋪(組合員、食品スーパー)の生鮮食品、そう菜部門などの充実、(3)インストアベーカリー及びかばん袋物店の新規導入などをした。

事業活動等実施のための組織体制の要点

組合員間のコミュニケーションの充実と諸問題へ素早い対応をするため、毎日幹部会を実施している。また販売促進、店鋪運営、活性化の3委員会においては、とくに主婦(女性)の声を大切にするために、女性の従業員が各委員会に委員として参加している。

【7】成果と成功要因

成果

増床・リニューアル後の共同店鋪全体の売上高は10%以上の増加となっている。平成9年9月の客数は、平成6年9月にくらべ12%増加している。リニューアル前にくらべ20代〜30代のお客の増加が目立ち、若い世代の来店者にとっても魅力的な店となっている。今回の増床リニューアルにより、山辺町内における地域一番店としての地位をさらに強固なものにすることができた。

成功要因

増床・リニューアルに合わせて
(1)組合員(個店)の改善を図ったこと
(2)共同店鋪全体の商品構成から見て組合員(個店)の品揃えの見直し調整を図ったこと
(3)不足業種の導入を図ったこと
(4)買回りしやすい店鋪レイアウトに改善したこと
が成功の要因であり、改善方針を強く指導し、実行したリーダーシップがポイントである。

【8】所見

山形市には、平成9年11月に県内最大規模の大型店が開店し、さらに平成10年以降も大型店の出店(計画)が相次ぐ見込みとなっており、当共同店鋪を取り巻く商業環境は今後益々厳しさを増すものとみられる。これからの競争激化の中で、とくに組合員(個店)の経営力の向上が重要な課題と考えられる。新しい仕入れ先の開拓や業態転換なども必要となってくる。共同店鋪全体の販売促進の強化とともに個店に対する指導が求められている。


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